球状フィラーが注目されている!


ゴムや樹脂に添加するフィラーはその要求物性によってさまざまな種類があります。補強性を向上させるためには、カーボンブラックのようなストラクチャーがあるフィラーやシリカのように粒子径の小さいもの、表面をシランカップリング剤で処理したクレー、またカーボンファイバーのようなファイバー状のものがあります。 しかし、フィラーとして要求される特性は補強性だけではありません。補強性にはあまり貢献できませんが、それ以外のある特定の特性を付与する事も重要な事もあります。その目的で昨今注目されているのが球状フィラーです。 

球状フィラーの特徴はなにか?
フィラーの目的は、ゴムや樹脂等に添加して特性を付与する訳ですが、球状でないフィラーは添加(つまり練り込み)具合によって、物性のばらつきがでてきます。しかし球状の場合は、どちらの方向から練り圧力ががかっても一体で受け止めるため、非常に安定した練りこみが可能となります。それは得られる必要な特性の安定性につながります。例えば、球状アルミナの場合、添加部数によって熱伝導性がある程度計算できます。また、本来フィラーは異質のものを混ぜる訳ですが、練り込みやすさから、粘度上昇を抑えての練りこみが可能なため高充填ができます。高充填はそのフィラーが持っている特定を最大限に引き出すひとつの大きな要素となっています。

話は変わりますが、世の中に正多面体はいくつあるでしょうか?三角錐の4面体、サイコロの6面体以外に、実は正8面体、正12面体、正20面体、計5つしか存在していません。昨今注目されているナノカーボンのひとつであるフラーレンは、炭素が60個、まるでサッカーボ−ルのように連なった分子構造をしていますが、これは正8面体や正12面体等の要素を組み合わせた形になっています。このように形の面から安定した正多面体は非常に限られた数しかなく、(多面体ではありませんが)球状はまさにその原点となる形とも言えます。球状という形にフィラーの補強性以外の側面での今後の可能性が秘められているかもしれません。

粒子径球状の共通する特徴は次の通りです。

  • 粘度上昇を抑えゴムや樹脂に高充填が可能
  • 各球状フィラーの特性を添加部数により推定可能
  • 加工性が容易(モールド、押し出し、カレンダー成型問わず)
  • 球状のため対象物に傷つきはない
  • かさ比重が小さい

それでは球状フィラーの素材はどのようなものがあるか? その特性を簡単にまとめてみました。

タイプ 中空ガラス ゴム/ガラス2層 シリカ サーマルカーボンブラック 高分子ポリエチレン
写真&図
特徴 低比重
断熱
衝撃強度
分散性
艶出しや光沢
熱伝導
寸法安定
高充填
圧縮永久歪
潤滑性
耐磨耗性
組成 ソーダ石灰珪酸ガラス ゴム/ガラスの2層 シリカ
99.8%以上
カーボン
99.7%以上
超高分子ポリエチレン
粒子径 30−70ミクロン 0.1−0.3ミクロン 3−28ミクロン 0.3ミクロン 25−30ミクロン
主な用途 自動車部品
シーラント
ブラスチック
耐衝撃剤(POM,PC等)
封止剤(応用緩和材)
接着剤改質剤塗料改質材
半導体の封止材
プラスチック
フッ素ゴム
薄物シート
HNBR
樹脂製品
ゴム製品

上記以外にも球状フィラーはあります。今後、球状フィラーの詳しい調査を行いたいと思いますので、ご存知のフィラーがありましたら、ご紹介ください。

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