加工性改良


 ゴム、エラストマー成形において加工性を改良するには、いろいろな方法がありますが、では加工性に問題点があるとすれば、主に次の項目が挙げられるでしょう。
  • ゴム、エラストマーの粘度が高く、ロール、バンバリーでの練りが難しい。
  • ゴム、エラストマーの粘度が高く、成形時の流れ特性が悪い。
  • ゴム、エラストマーの粘度が高く、成形速度が遅い。
  • 金型への離型性が悪い。そのために金型汚染がひどい。
  • 分散性が悪く、表面肌の低下や融合不良をおこす。
以上をまとめると、1)ゴム,エラストマーの可塑化 2)金型との離型性といえます。そこで、それらの点を改善するために次の改善方法があります。

1)加工助剤:ゴム、エラストマーに数%添加する事により、ゴム,エラストマーの粘度を下げ、分散をよくします。それは練り作業性、流れ特性、成形速度を早める事に貢献します。高性能加工助剤”ファーストメルト”でのNBR配合での試験例を示します。詳しい説明はこちら
項目 コントロール 1%添加 2%添加
ムーニ-粘度
(ML1+4,100度)
120 106 96
流れ特性
(10-4ml/秒)
6.5 14 31
硬度(JISA) 78 77 75
引張り強さ(Mpa) 22.4 22.0 20.9
伸び(%) 440 440 450
圧縮永久歪み(%) 32 29 29
  このように物性に悪影響を与える事なく、1%のみの添加で粘度を低下させ流れ特性を大幅に改善しています。金型の離型性も数字には現われていませんが、実際に少なくなったとのレポートが届いています。

2)離型剤:金型に吹き付けるタイフの離型剤。110度,5分の条件で金型に焼き付ける事により、均一な強い膜ができ、離型効果も長持ちします。 各  種類ある中でお勧めなのが、”TRA9825”です。水系のため環境にもやさしい外部離型剤です。
熱硬化型反応シロキサン
中程度の膜の硬さ
200度まで使用可能
NBR,フッ素ゴム、ベイマック、ヒドリンゴム
アクリルゴム、CRに最適
3)洗浄ゴム:金型はいつかは汚れ洗浄しなければなりません。その洗浄方法を工夫する事により、成形サイクルを効率よくする事ができます。現在  金型洗浄方法で使用されているのは次の4つの方法です。利点/欠点を含めて列挙します。
方法 利点 欠点
アルカリ洗浄
アルカリ溶液で磨く)
洗浄効果大 廃液の処理
金型を外す時間的ロス
ブラスト
(プラスチックのメディアを
打ち付ける)
洗浄効果大 メディアのあたらない場所は洗浄不可 金型を外す時間的ロス大
洗浄ゴム
(成形物に汚れを吸着させる)
金型を外す必要なし 洗浄効果は中程度
ドライアイス
(ドライアイスを表面に打ちつける)
金型を外す必要なし 音がうるさい
ランニングコストが高価

環境にやさしいブラスト方式及び洗浄ゴムをここでは推奨します。金型を外す手間をかけられるかどうかでどちらかを選択できます。

加工性改良は決して満足することのない永遠のテーマのようです。少しでも改善できる方向で進めていくしかないかと思います。上記の点をふまえ、
また新しい加工上の問題点は一度ご相談ください。