発想のヒント
羊のような木とは?
羊のように毛を刈り取って、また成長して毛を刈り取ることのできるような木は、いったいどんな木であろうか?
実はコルクの木がそうなのである。ポルトガルやスペインの海岸地方に生育するコルク樫は、海岸地方の海風に耐えうるために樹皮が20−54mmにも育つ常緑樹で、寿命は150年から200年。樹皮は植樹してから約25年後に採取可能となり、それ以後は、9年ごとの夏のみに採取される。
採取された樹皮は、まずワインのコルク栓をとり、残りの部分を粉砕し、フロアータイルや靴底に使用している。
リサイクルといわれて久しいが、コルクは実は究極のリサイクルシステムなのである。
土の代わりに廃タイヤ
環境問題になっている廃タイヤにこんな使い道もあったのだ。 環境保全関連企業の環境緑化エンジニアリングは、土の代わりに廃タイヤを使って
天然芝生などを舗装できる技術を開発した。透水性、通気性があり、屋上緑化や通常の学校のグランドにも使用できるという。ポイントは、長さ2−20ミリのチップ状にした廃タイヤに、道路舗装の接着剤として使うアスファルト乳化剤と芝生の肥料を混合する。厚さ8−10センチのマット状に加工し、その上に芝生をはやす。
土の栄養分を肥料で補う。土とは何かをつい考えさせられてしまう。
ゴム臭カットのコンドーム
コンドームとお茶がハイブリット? オカモトは、水性潤滑剤に”緑茶カテキン”を入れることで、従来品よりもゴム臭をカットしたコンドーム”グリーンドーム”を開発した。コンドームのゴム臭は、ラテックスゴムに含まれるたんぱく質が原因で、脱タンパク質加工を行っても完全には取り除かれなかった。そこで、消臭、抗菌効果のある緑茶カテキンを潤滑剤に入れたところ、ゴム臭が著しくカットされた。また、ビート(砂糖大根)から抽出した天然素材ベタインを水性潤滑剤の主成分としているため、保湿性、保水性に優れ、皮膚の荒れ防止効果もある。
ジェルインクの世界
現在 文房具メーカーでは、新しい水性インクとして、ジェルインクを宣伝している。これは、今までの水性インクは着色剤が水に溶けていたが、このジェルインクは、着色剤が水に溶けずにジェル状に分散している。そのため、紙の上での発色性、にじみ性、裏うつり性が優れている。万年筆やサインペンにちかい発色性があるのがすごい。この発想の延長上にパイロットのD-inkがある。これは紙に浸透しないインクのため消しゴムで消すことができる。
たかが文房具、されど文房具である。
夢のシューズ
ウレタンソールで有名なヒカリ技研(東大阪市)は、まったく新しい軽量化のシューソールを開発した。従来のウレタンソールは比重が0.47であった。これを比重0.28まで軽減、しかも耐久性も試験に合格している。これは天然ゴム含め、TPU,安定剤、架橋剤など16種類をブレンドした原料にノウハウがあり、変色や加水分解はせずに優れたクッション性と耐磨耗性を引き出している。通常、軽いものは物性は必ず落ちたが、このヒカリ技研の新しいソールはあらゆる環境において卓越した耐久性を発揮することから、夢のシューソーとよばれている。
配合技術も極めれば、新しい展開が開けてくるのである。
電磁波対策あれこれ
携帯電話やコンピューターが普及し、電磁波の影響を論じる機会も多くなった。ここでは、電磁波対策として各社はどのような新商品を開発しているかを紹介する。
竹中工務店は、電磁波を吸収する舗装技術を開発した。骨材の隙間を広くしたほか、炭素繊維を材料に混ぜ合わせることにより、電磁波の反射を防ぐ。高速道路システム(ITS)が普及した際の電磁波の反射による誤作動を防止する。
三菱電線は、ETC(ノンストップ自動料金収受システム)用高性能電波吸収パネルを開発した。これは、塩化ビニリデンを導電処理した吸収体とFRP系の特殊シートを組み合わせることで、電波の入射角度範囲が0-47.5度で20デシベル以上の吸収特性を実現している。
つちやゴム(熊本県)は金属を一切使わずに優れた導電特性をもつ電磁波シールドゴムを開発、携帯電話の回路のシールド用に紹介している。
下水道管に光ファイバー
配管、給水工事の八晃産業と岡山市は、下水道管内に光ファイバーを敷設する新しい方法を考案した。雨水や排水の流れの邪魔にならないよう下水道管の内部上部を高圧蒸気で洗浄、そこに小型敷設ロボットを使って、面ファスナーの雌側を特殊接着剤で貼り付ける。さらに保持具と面ファスナーの雄側を特殊接着剤で貼り付けて、保持具の中の通線管に光ファイバーを通す。面ファスナーと特殊接着剤には高い耐酸性を付与、下水道管内で発生する硫酸ガスに対する耐久性も発揮した。
この方式は敷設費用が大幅に軽減できるだけでなく、下水道管のひずみも同時に感知できる。
下水道と光ファイバーは、従来型のインフラと新世紀のインフラをうまく組合せた発想である。 他にも従来のインフラをうまく活用するアイデアはありそうである。
タイヤ内空気圧
フォード車に装備されたファイヤーストーン社製タイヤのリコールから、タイヤの適正空気圧の重要性が、注目されている。空気圧が低いと道路への接地面積が広くなり、グリップやブレーキは利きやすくなるが、反面、過度の発熱と変形によりタイヤ内コードとゴム層の接着破壊につながりかねない。
いかにタイヤ内を適正な空気圧を保つか?
そこで、自動車用品販売のオートバックスでは、タイヤに窒素ガスを注入するサービスをはじめた。空気は窒素と酸素の混合であるが、粒子径の大きい窒素ガスだけ注入すれば、タイヤ内層部分に使用されているインナーライナー(ブチルゴム)への透過率は1/3に減少できるのである。つまり、適正空気圧が3倍長持ちする事になる。しかも窒素ガスであるから安全。1タイヤあたり500円。 ひとつの逆転の発想といえるであろう。
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