医療用アクリル樹脂”サイロライト メド2”
ポリカーボネイトの耐脂質性、耐アルコール性を改良、米国医療分野で実績

Cyrolite Med2は、米国大手アクリル製造メーカーであるCyro社で開発されたディスポーサブル医療器具用アクリル系樹脂コンパウンドです。従来のCyrolite Medの耐アルコール性能を改良し、ポリカーボネイトと比較し大きなアドバンテージを実現いたしました。

主な特徴は次の通りです。

  1. 耐リピドールポリカーボナイトに比較し、耐アルコール性と耐リピオドール性が極めて優れています。
  2. γ線・電子線・エチレンオキサイドガスで滅菌する事ができます。
  3. γ線滅菌後の光学特性が改善されています。
  4. 射出成形での成型性に優れております。特に薄壁又は成型の難しい多孔質の製品にもご使用頂けます。
  5. 射出成形可能なあらゆる医療器具に使用可能です。
  6. 溶剤接着又は超音波を用いた溶接が容易に行えます。
一般物性 試験方法
ASTM
CyroliteMed2
光学特性
光線透過率(%)
ヘイズ(%)
Y.I
グロス(@20

D-1003
D-1003
D-1003

83
5.1
1.0
81
レオロジー特性
平均メルトフロー(g/10分)
(@230/5.0kg
D-1238 1.5

機械特性
引張強度(psi [MPa]
引張伸び(yield,%)
引張伸び(break,%)
引張モジュラス(psi [GPa]
ノッチ アイゾット(@23, ft-Lb/in [J/m]
1/8” ba
1/4” ba
ロックウェル硬度(M scale

D-638
D-638
D-638
D-638
D-256
D-256
D-785

5320 [36.7]
3.9
22
247000[1.7]
2.3[122]
2.2[117]
33

物理特性
DTL @264 psi, ℃)
ビカット軟化点 
(℃)比重

D-648
D-1525
D-792


73
94
1.08

*「Cyrolite Med2」は、米国及び他の国で特許を申請中です。

IPA及びリピオドールに対する耐薬品性

ポリカーボネイト及びCyrolite Mdeとの耐アルコール性(イソプロピルアルコール)、リピオドール性の比較試験した資料です。伸び保持率で比較しました。

Cyrolite Med2

Cyrolite Med

耐リピドール

ポリカーボネイト

初期 破断伸び試験(%)

14.8

16.1

140.0

IPA浸漬
2%引張・5時間・23
破断伸び
破断伸びの保持力(%)



22.8
154.0



11.2
70.0



6.0
4.0

リピオドール溶液浸漬
2%引張・5時間・23
破断伸び
破断伸びの保持力(%)

17.7
106.0

17.3
107.0

4.0
3.0

耐イソプロパノール性 2%引張・5時間・23

テキスト ボックス: 耐イソプロパノール性は、Cyrolite Medの約2倍の保持性、ポリカーボネイトと比較すると明らかな優位差があります。

耐リピドール性 2%引張.5時間.23

テキスト ボックス: 耐リピドール性は、Cyrolite Medとほぼ同程度、ポリカーボネイトと比較すると、耐イソプロパノール性を同じく大きな差があります。

結論Cyrolite Med2はアルコールやリピオドール溶液に曝された後でも、初期に設計された物性に対し、非常に優れた保持力を示します。

γ線滅菌の透明性、黄変色性への影響

γ線滅菌(@2.5 Mrads)の透明性と黄変色の状況を次に示します。

γ線滅菌(@2.5 Mrads)での透明性

      

γ線滅菌(@2.5 Mrads)でのYellowness Index

結論Cyrolite Medおよびポリカーボネイトと比較し、黄変色は同程度であるが、透明性はCyrolite Medより改善、ポリカーボネイトとは明らかな差があります。

FDA/USP/Tripartite情報

FDA情報Cyrolite Med2は食品接触用途21CFR177.1010に登録されています。自然色原料(Color001)は、8%以上のアルコールを含有する用途を除く、全種の食品用途、65℃以上で加熱された注入物、又は低温殺菌される用途(i.e., Condition C,21 CFR 176.170, Table2)に至るまで、FDAで規定される全ての使用条件の要求に合致しています。

USP情報:自然色のCyrolite Med2USP ClassY(24時間、70℃、4g/20ml 抽出)の要求に適合しています。

Tripartite情報:自然色のCyrolite Med2GS-CG-100-001)は短期のvitro試験を実施し、Tripartite及びISO10993-1議定書に従ったvitro biologicalテストにおいて、溶血性・細胞毒・変異原性の何れも陰性でした。

成形加工条件

最適の溶解温度は、各部材の溶解点を満たす、最低の温度です。薄い壁片や細長い成型物は、より高い溶解温度と圧力が必要です。初期の溶解温度として230℃、金型温度として40℃を推薦いたします。成型物が1400psiでの射出成型圧力を満たさなければ、溶解温度を上げる前に、金型の温度を66℃を最大温度として6℃ずつ上げて下さい。溶解温度は250℃を最大に6℃ずつ上げて下さい。

条件

推薦範囲

初期点

乾燥温度(3-4時間)

70

70

供給部温度

220-230

220

中心部温度

230-250

225

前部温度

230-250

230

ノズル温度

230-250

235

溶解温度

215-250

230

金型温度

30-65

40

射出圧力(psi)

10,000-16,000 Hydraulic

10,000

クランプ圧力(psi)

2.5d/in2(投影面積)

スクリュースピード(rpm

圧縮比2:1

75-150

75

圧縮比 3.5:1

60-130

60

ラムスピード

ゲート小

0.5-1.5

1.0

ゲート大

1.0-4.0

2.0

背圧(psi)

20-100

50

注意:Cyrolite Med2は、高圧力、又は高射出速度の状況下で、せん断力をかけると粘度が落ちる傾向を示します。それはパーティングラインやベントでのバリの原因となりかねます。これは射出速度を落とす事によって解決できます。キャビティーは完全に換気しなければなりませんが、換気口は0.0015インチ以上の厚みにしないで下さい。ゲートの開口部は壁厚の約80%にし、サブゲートの開口部は0.030.04インチにして下さい。

欧州では、自動車のリサイクルに関するELV (End of Life Vehicle)指令によって、2008年より廃棄自動車のパーツのリサイクル部品に重金属などの有害物質を含んではいけないことが法規則化されています。それを受けて欧.日.米の自動車メーカーは最近、Pb,Hg,Cd,Cr其々の自動車パーツへの含有を制限する動向です。トヨタでは、2003年7月モデル(パーツサプライは2002年末まで)以降、これらの重金属を一物質中0.01%までを許容量としてきました(高圧ホース、燃料ホース以外の加硫促進剤について規定)。しかしながら、結局防振ゴムやベルト等のゴム部品によっては鉛を含んではいけない、ということになりました。

防振ゴムやベルトに使用されるゴム/金属(繊維)との接着剤には、通常、安定剤として微量の鉛が含有しています。 上記の流れを受け、接着剤メーカー各社は、鉛フリータイプの開発に早急に取り組んでいます。イギリスのCompounding Ingredients社は、接着剤のベースになるグラフトポリマーを自社で製造しており、その独自の技術により、最近鉛フリータイプ Cilbond21(一液性、プライマーとしても使用可)、CilbondR6488(トップコ−ト)を開発しました。 特にCilbond21は一液性で防振ゴムの評価基準である135度x1000時間の耐グリコール特性にも耐えうることで、欧州で近々採用されるまでにいたっています。

溶剤系から水系への流れも、欧州では日本以上にその流れは強いですが、それでも全体量は接着剤の10%以下の状況です。Compounding Ingredients社ではCilbond60W, Cilbond62W、Cilbond65W等 欧州で実績あるグレードを取り揃えて、日本での今後の環境規制の動向をにらんでいるところです。


詳しい資料は